正宗命名の謂われ

 江戸時代は灘酒は「猿若」、「助六」等多くは俳優に関する名前を酒銘としていました。 櫻正宗もまた創業の頃は俳優の名を取って「薪水(しんすい)」と言う酒銘にしていましたが、 家祖は常に灘の酒銘が女性的で酒客の嗜好に投じないので、 醸造法の改良に苦心するとともに時代に応じた命名を考えていました。

 ある日家祖がかねてより親交のあった山城国深草の「元政庵」住職を訪ねた時、 机の上に置かれていた経典に書かれた「臨済正宗」の文字を見て、「正宗(セイシュウ*)」が「清酒(セイシュ)」に語音が通じる事から、 「正宗」を樽印としたのが始まりです。 * ただし仏教読みでは「セイシュウ」ではなく「ショウシュウ」となります)

 最初は「セイシュウ」と読ませるつもりでつけたのでしたが、 人々は「セイシュウ」と呼ばずに「マサムネ」と唱え、「マサムネ」が一般の呼び名となりました。 天保11年(1840)のことでした。

正宗

 明治17年(1884)に商標条例施行の折、当蔵元は「正宗」と登録しましたが、 政府は「正宗」を使用した酒銘が多い事を理由に「正宗」を普通名詞としました。 そこで「正宗」に国花である櫻花一輪を配し「櫻正宗」と名付けました。


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